保育士になりたての頃、自由遊びの時間に子どもたちとどう関わったらよいのか分からず、毎日同じオモチャで楽しそうに遊ぶ子どもたちがなんだか不憫に思えたりして、新しい遊びを提供しないといけないのではないか、などと考えて、自分から子どもの遊びを盛り上げようと必死に声をかけたりしていた。
でも、自由遊びについて調べてみたら、自由遊びの時間には全然違う大切な意味があるのだと知った。
オモチャを変えずとも、子どもたちが日々変わっていくのである。すごいスピードで成長する子どもたちは、同じオモチャを前にしても日々遊び方を変えていく。その子どもたちの様子を見て、今その子がどんな発達過程にあるかを見ることが、保育士の大事な仕事なのだ。その子が今現在どんな段階にいるかを見極めることができれば、そこから発展させた遊びを活動に取り入れることができるし、その少しだけ先の段階に誘導することもできる。
子ども同士のコミュニケーションを仲介したり、安全を確保したり子どもの安全基地になったりすることと同時に、子どもの発達を見ることも大事なのだと知ってから、子どもをよく見るようになった。
そして、子どもの発達について、もっとちゃんとわかる人になりたいと思うようになった。本を読んだり、先輩の保育士(歳は20歳くらい下の大先輩)との話の中で学んだり。
資格を取ったのはほんの入り口に立ったに過ぎない。日々の学びが欠かせません。そしてそれがすごく面白い。発達を知るのは人間を知ること、自分や家族も含め、人間の発達を少しずつ知ることに今とても喜びを感じています。
でも子どもからしても保護者からしても私は1人の保育士。新人もベテランもない。目の前のことにしっかり対応していこう。